企業紹介の取材訪問:株式会社二ノ宮製作所様

2023年9月7日に企業紹介として秩父機械電気工業会の会員企業である二ノ宮製作所(株)様のみどりが丘工場を取材させて頂きました。
敷地に入るとまず2本のシンボルツリーに出迎えられました。
左に先代のシンボルツリーのメタセコイヤ、右手に現在のシンボルツリーの立派なヤシが植えられています。

事務所はまるで都会のIT企業のようなお洒落な外観で、隣に併設されているカフェ兼会議スペースで堀安専務からお話を聞かせて頂きました。
ちなみにこちらもとてもハイセンスでありながら落ち着ける素敵な空間でした。
ヤシ廻りテラスと併せて社員の憩いの場となっているそうです。

精密板金加工の分野で長年の蓄積による卓越した技術で類い希なる実績を培ってきた同社の現在に至る経緯をお話し頂きました。
板金筐体を主要で取り扱っている同社では、元々の板金加工から徐々に設備増強と共に製造工程を増やしていき、自社で塗装工程ができるようになった最近では、設計から組立完成まで全行程自社生産が可能な工場として同業種の中でも抜きん出た存在となっています。

ここまでの苦労は並大抵ではなかったけど、利益率やコスト面で強力な優位性を持つことができ、また客先からも高品質な筐体をワンストップで生産できる利便さで大きな信頼を頂くことができているとのことです。
(埼玉県では精密板金筐体で全行程自社生産できる会社は3社ほどしかないそうです)

工場見学では、パンチレーザー複合機やハイブリッドベンディングマシン、ファイバーレーザー溶接機等々の最新鋭の大型機械が所狭しと据えられていて、まさに精密機械産業の最先端という感じでした。

各種加工工程から塗装工程・洗浄工程・組立工程と多種多様な工程がありながらも無駄なくライン管理化されていて、工場内のあらゆる面が理路整然としている印象で、同じく製造工場を持つ身としてとても参考になりました。

人材面に関しては、製造業全般で人材確保が非常に困難な昨今において、先駆けて外国籍の人材導入を積極的に行っているとのことです。
2015年からフィリピンの大学と国際インターンシップ協定を結んだのを始めとして、単純に海外実習生を雇うというだけでなく海外高度人材を育てるという視点でも事業を着実に進めていき段々と実になってきたようです。
フィリピンの他にベトナム・インドネシア・ミャンマーと幅広く有用な人材を受け入れていて今現在の工場全体の人員の約3割が外国籍の人材だそうです。
特にフィリピンのインターンシップ生の多くはITに非常に強く、2014年から全社員にiPadを導入しIT化を日々進めている同社にとっても非常に力になっているという話はとても興味深かったです。
ただ、外国籍人材が増えると工場の立地条件的に近辺の居住施設の確保に困難が多いようで、色々と右往左往しているといった現状の苦労話を笑いを交えてお話し頂きました。

他にも環境問題への取組みであったり、先を見据えた人材育成であったりと尽きない経営戦略のお話を沢山聞かせて頂きました。

最先端技術の荒波を縦横無尽に操舵する辣腕の二ノ宮社長とは都合でお会いできなかったのは残念でしたが、堀安専務には長時間に渡る取材に快くご対応頂きありがとうございました。

同社HPも取材後閲覧させて頂きましたが、工場同様非常に洗練されていて会社運営に役立ちそうな様々なトピックがちりばめられているので是非ご参照ください。

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